苔とは
苔は、藪などの日の当たらない場所に主に生えている花を咲かせない植物です。Botanicaは苔の生育する環境を簡単にミニチュアの世界で再現できる商品です。
いろいろな種類の苔が私たちの周りには生息しています。都会でも探せば意外と苔は生えています。私有地や禁止されている場所からの採取はくれぐれも行わないでください。リラックスして近所を散歩して、テラリウムにちょうど良い苔を見つけてください。茶色くなって乾いている苔でさえ、きちんと水をあげれば数時間で元気な青々とした苔に戻ることが多いです。テラリウムに入れる前に洗うのも良いですが、あえて洗わないことによって、何日後かに予期せぬ花が生えてきたり小さなキノコに出会うことができるかも知れません。
Botanicaでは苔セットの販売も行っております。それぞれのテラリウムに合った苔をお付けいたしますので、自分で見つけられない場合は、是非ご利用ください。また、園芸店やオンラインでも販売されていますので、信用できそうな販売者を探してみてください。
苔採取の美学
一番大事なことは、苔の生えていた環境を再現することです。湿っている場所か乾燥しているか。木漏れ日程度の日は射しているか完全な日陰か、などを覚えていてください。
- 苔の救出: 明らかに苔の生育に適さない場所に生えていた場合は、テラリウムで育てて是非助けてあげてください。
- 保護された公園や森林などからの採取は決して行わないでで下さい。
- 自分の私有地からの採取: Botanicaの場合は直径6cmから7cm四方で十分です。
苔の歴史
人類が苔を利用してきた主な理由は、断熱性と吸水性です。自重のおよそ20倍もの水を吸収することができるものも有ります。
19世紀のアメリカやイギリスでは苔の採取が流行し、庭園に苔庭を作ることが広まりました。苔庭は主に木の板で囲まれた上に平らな屋根を被せて作られ、日光の射さない北側だけは開いていました。板の隙間には少量の苔が生やされ、苔庭内の湿度を保つことに役立ちました。
ミズゴケの仲間は自らの重さのおよそ20倍の水を吸収します。第一次世界大戦の時には、ミズゴケが救急道具として使われました。コットンより3倍の水分を吸収し、保水性も高く、全体に水分が広がりやすく、冷たく、柔らかく、感触も良く、抗菌性も有ると言われていたためです。アメリカの先住民たちは伝統的にミズゴケをオムツや衛生用品として使用ており、未だにカナダでは使用している人たちもいます。
コケ植物は4億5000万年前に生まれたと言われており、植物学者たちは最も古い植物の一つとして考えています。シダ植物の発生より5000万年も前のことです。今私たちが見ることのできる苔たちは、どれも4億5000万年間にも渡る幾度もの乾燥や急激な気候変動に耐えてきたものばかりなので、とても育てやすい植物と言えるでしょう。
苔の仲間は熱帯雨林にも乾燥した砂漠にも、もちろん温帯地域にも生息しており、高山や海中でも広く繁栄しています。日本の園芸の世界でも、この強くて美しい植物は古くから使われてきています。そして現代でも、最先端を行く園芸家や趣味で緑を育てたい人たちの間で、環境的で育てやすい植物として苔は好まれています。